五十おやじの今日のひとネタ

とるに足りない50のオヤジによる、取りとめもない話。

【経験に学ぶ】

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「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」

っていう言葉を先日知りました。

「なるほどなぁ」

「確かにそうだなぁ」

なんて感心してました。始めは。

 

でもよくよく考えてみると、人間てやっぱり経験したことしか「ちゃんと」分かってないような気がしてきたんです。

 

だからって勉強が無駄ってことじゃないんですが、本や人から聞いただけで分かったつもりになるのは危険じゃないかと思えました。

 

大人になると積極的に勉強していない人の方が多いと思うので、その中にあって、勉強している人は学んでいない人を見て、本などを読んで先人の知恵を授かるという尊さを訴えたいのでしょう。

 

それはそれで分かります。

私もそう思いました。

 

でも、だとしたら、めちゃめちゃ勉強している教授や博士は最も偉いのでしょうか?

彼らは何でも知っているのでしょうか?

最も正確なのでしょうか?

 

違うと思いました。

思い出したんです。あることを。

 

もう20年以上も前になりますが、テレビの深夜番組で当時テレビによく出ていた心理学の教授と戸塚ヨットスクールの校長が出演していて、ある女子高生のお悩み相談に答えるという設定で放送していたんです。

 

もうどういう相談だったか具体的には忘れましたが、その相談に対する二人の回答がとても対照的というかレベルの差を感じたんです。

 

教授はどこかの学説や症例なんかを持ち出しながらいかにもアカデミックな回答をしていたのですが、校長の方は一刀両断です。

「結局甘ったれなんだよ!」

もう身もふたもないです。

隣の教授がビクッて(笑)

でもそのあとの話が、まるで「あなた見てたんですか?」っていうくらい的確にその女子高生の心理状況や気持ちを指摘するんです。

 

相手の女子高生もずっと「はい、はい、、、そうです。」みたいな感じで、ズバズバ言われまくり。

 

一旦また教授のコメントタイミングになったものの、教授、完全に飲まれてしまってしどろもどろでした。

もう彼の知識では立ち向かうようなコメントを繰り出せないという感じでした。

その様子を脇目に、お構いなしに校長は続けてバンバン(^^;)

「すげぇ~!」

 

実は私大学で心理学科だったのですが、正直言って心理学ってすげー未熟だなと思ってしまったんです。入ってから。

ま、それは置いておいて。

 

結局、校長が語っていたのは彼の経験だったんだと思うんです。

彼の学校にはもう手を付けられない不良や精神的に問題ある少年少女が集まっていたわけです。

そんな彼らを更生していたんです。

まっ正面から受け止めて、戦っていたんです。

だから、その女子高生の話を聞いた瞬間に映像が浮かぶように分かったんだと思うのです。

心の琴線やひだのレベルで感じられたんだと思うのです。

 

これって、勉強で習得できることでしょうか?

 

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」

 

私は改めて思いました。

 

「少なくとも一個人にとっては、経験に勝る知識はない」と。

 

ではまた。